19/10/2025
【競技会審査員のお話-誰が為の1点か-】
こんにちは。うきは市のZelkovaCoffeeです。
朝晩が少しずつ過ごしやすくなり、コーヒーが美味しく感じられる季節になりました。今が一番おいしい季節ですね(年中言ってる)
さて、先日東京で開催されたコーヒーの展示会に参加し、私は二つの競技会で審査員を務めさせていただきました。
① サイフォン競技会(世界大会・日本大会)
まず、世界大会の審査員試験を受講し、無事に合格することができました。大変嬉しく思っています。
今年は事情により審査の機会はありませんでしたが、資格は来年も有効です。来年審査に携われるよう、引き続き研鑽を積んでまいります。
世界大会の審査員として内側に入ってみて、世界と日本とで審査水準はやや違いましたが、日本大会の審査基準は高い水準で保たれていることを改めて感じました。
しかし、世界の審査員のオープンマインドでカリブレーションの速さやセンサリーの正確さは目を見張るものがありました。この辺りは我々も今後磨いていかなくてはいけないと思います。
4日間、サイフォンのことばかりを考えた結果、サイフォンへの愛がより深まりました。サイフォニスト達とも交流が出来「今後サイフォン絶対楽しくなる!」と感じました。
最近は抽出の時間がとても楽しいです。皆さん!サイフォンやりましょうよ☺伸びしろめっちゃあります。
② ブリュワーズカップ
こちらは数年間にわたりお世話になっている競技会で、今年もお陰様で決勝の審査に参加することができました。
今年は「必修サービス」を担当させていただき、競技者情報が一切ないコーヒーを、味覚のみで評価する密室での審査(1日6杯)に臨みました。これは非常にタフな審査です。
この経験を通じて、自分の弱さや足りない部分を痛感し、来年はより質の高い審査員になりたいという思いを強くしました。(もちろんスコアリングには自信と責任を持って行います。コメントのわかりやすさや審査速度の話です)
ブースを回る時間はほとんどなく、競技会での「審査基準のすり合わせ」に終始し、気が付くと展示会期間が終わってしまいました。しかし、選手たちが持ち込む材料、器具、そして彼らの意識は、間違いなく「現状のコーヒー業界の最先端」です。それに身をもって向き合えることは、私にとって何よりの「役得」だと感じています。
審査を終えると、張り詰めていた緊張感から解放され、ほっとした気持ちに包まれます。そんな中最終日、ブリュワーズの審査を終えた後、ビッグサイトの長い動く歩道で、私の背後を歩いていた尊敬する先輩が、別の方と「今年はjudgeとは何か、ということを考え直す年だった」とお話しされているのが聞こえてきました。私は「おや」と聞き耳を立てていました。(盗み聞きは良くないですが...)
「決勝の点差がわずか1点ということもあったし、競技者との年齢や彼らが重ねてきた時間も考えると、もちろん自分のつけたスコアには自信があるが、より一層の責任感を持って採点しなければいけないね」と話されていました。
その後、「もちろん審査員を務める理由は自己研鑽という側面もあるけれど、そこはそれとしてね。選手の人生変わるわけだから、、、」と続けられました。
私は思わず振り返って頷きました。その話に加わりたかったのです。
なぜなら、私はこれまで先輩方に「田中さん、今年はどうでしたか?」と聞かれると、いつも「勉強になりました。ありがとうございます。」と答えていたからです。自分の勉強ばかりに意識が向いていたと、自らの浅はかさを感じました。
しかし今は、少しずつですが、コーヒーサービスの本質に迫れているという実感があります。
凄い方々と真剣にコーヒーサービスについて議論した結果として、結果的に「自己が研鑽」されていたのだと気づかされました。順序が逆だったのです。この大切な気づきを胸に、来年に向けて準備を始めていこうと思います。
帰りの電車では、私は美味しいお酒のことを考えていましたが、先輩方はずっとブリュワーズカップの話をされていました。そして、皆さんの意識は既に世界へと向いています。
コーヒーに疲れない最高の方々と同じ帰り道を過ごせたことは、最高の思い出です。(ちなみに、渋谷のスクランブル交差点で迷子になってしまいました^^;)
お店は少しゆっくりあります。是非遊びにいらしてくださいね。