26/08/2026
茶の時間|第一帖 『一服を眺める』
茶室では、一服の茶が点てられる時間を静かに眺める
釜から立ちのぼる、白い湯気
湯の音
茶筅の音
茶碗
茶杓
亭主の手
ひとつひとつの動きに、意味がある
けれど、すべてを知らなくてもいい
ただ、美しいと思う
静かだと思う
心地よいと思う
それだけで、十分なのかもしれません
何かを学ぶためでもなく、何かを得るためでもなく
ただ、一服の茶をいただく
現代では「何もしない時間」は、とても贅沢なのかもしれません
湯気を眺め、季節の花を愛で、ゆっくりと茶をいただく
すると普段は聞こえないものが、少しずつ聞こえてくる
そして、自分自身の声も
美しいものを美しいと感じる、その感性を
茶室はそっと取り戻させてくれるのかもしれません
芸術を愉しむ心裕かなる、人こそ天国に住すればなり
美しき芸術をもて万民の、身魂高むる業ぞ尊き
一服の茶
その先にある、静かな時間
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