30/05/2026
メニューの組み立て方について
la bûche の料理は、大原という土地を主軸に、このエリアのテロワールを最大限に感じてもらうことをコンセプトとしています。
日々畑や山、川の様子を感じながら食材を選び、その時に本当に良いと思えるものを使ってメニューを更新しています。すると、不思議と「きっちり季節通り」にはならないことがあります。
例えば5月、初夏のメニューの中に、少し遅れてやってきた冬の名残のほうれん草が出てきたり。まだ暑さの残る頃に、早めの秋の気配を感じる食材が並ぶこともあります。
一般的には、季節ごとや月ごとにメニューを大きく切り替えることで、料理の季節感を整えていくことが多いかもしれません。けれど、実際の自然はそんなに綺麗に区切られていません。
もう昼間は夏の暑さですが、朝晩には冷え込む日もまだまだ多いです。雨の日には、季節が少し戻ったような肌寒さを感じることもあります。
その「揺らぎ」や「曖昧さ」こそが、本当の季節なのだと思っています。
大原という土地に毎日向き合っていると、自然は常に少しずつ重なりながら移り変わっていることに気づかされます。春と夏の境目、夏と秋の境目。その間には、はっきり名前をつけられない時間があります。
la bûche では、そのリアルな季節感を料理の中に映したいと考えています。
だからこそ、メニューの中に少しアンバランスさが生まれることがあります。でもそのアンバランスさは、無理に整えられたものではなく、その日の大原の空気や温度、湿度、光をそのまま映した結果なのだと思っています。
季節を「演出する」のではなく、今そこにある季節を、そのまま皿の上に置いていくこと。
それが、la bûche のメニューの組み立て方です。